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セルフケア2026年8月12日5分で読める

夜勤明けに二階へ上がる階段の三段目で、ふくらはぎが攣りそうになった朝

あさひ
あさひ
@kaigo_health
夜勤明けに二階へ上がる階段の三段目で、ふくらはぎが攣りそうになった朝
目次

夜勤明けの朝、母の部屋がある一階から、着替えを取りに二階へ上がる。三段目まで来たところで、右のふくらはぎがぎゅっと固まって、思わず手すりをつかんだことがあります。

痛みというより、こむら返りの手前のような、嫌な締めつけ感でした。母の様子を見て、洗濯物を取り込んで、また二階へ。この往復を一晩で何度もしていることに、そのとき初めて気づいたんです。シャワーを浴びている間もまだ、ふくらはぎの奥がじんわり重いままで、布団に入っても脚だけが妙に熱を持っている感じがしました。

考えてみれば、夜勤中も廊下を何度も往復し、帰ってきてからも階段を上り下りしている。ふくらはぎにとっては、勤務が終わっても休みが来ていなかったんだと思います。

この記事は、階段のある家で家族介護をしている方にも、立ちっぱなしで動き回る夜勤明けの介護職員さんにも、両方に向けて書いています。

なぜ、階段の往復でふくらはぎが悲鳴をあげるのか

わたしたちのふくらはぎは、血液を心臓へ押し戻すポンプの役割も持っています。歩くたびに筋肉が収縮して、脚にたまった血液を押し上げる。だから「第二の心臓」と呼ばれたりするんですね。

特養で働いていた頃、先輩から「移乗は最後の一押しで踏ん張るところに一番負担がかかる」と教わったことがあります。利用者さんの体を支えながら、足の裏でぐっと床を押す。その一瞬に、ふくらはぎの奥にある腓腹筋とヒラメ筋が強く収縮しているんですね。

夜勤中は、移乗のたびに膝を軽く曲げて踏ん張り、廊下を何度も往復します。消灯後のラウンドだけで、深夜0時から3時の3時間で20往復近く歩くこともあります。ある夜勤者さんが「気づいたら一晩で3キロ近く歩いていた」と話していたのを覚えています。ふくらはぎのポンプは、休む間もなく働き続けているわけです。

そこに、二世帯住宅の階段の上り下りが重なる。母の様子を見に、洗濯物を取りに、忘れ物を取りに。廊下の端から端まで、一晩で何十往復もしている計算になるのと同じで、階段の一段一段も、気づかないうちに積み重なっていきます。硬いフローリングの床と、夜勤用の靴の底の薄さも、地味に負担を増やしている気がしています。

三段目でふくらはぎが固まったあの朝は、たぶん、その積み重ねが限界に近づいていたサインだったんだと思います。

夜勤明け、階段の途中でふくらはぎに手を当てる理学療法士

階段の一段目でできる、小さな戻し方

わたしが夜勤明けに欠かさずやっているのは、二階に上がる前、階段の一段目に立ったまま行うかかとの上げ下げです。

手すりに軽く手を添えて、かかとをゆっくり持ち上げ、下ろす。これを10回。息を止めずに、吐きながら下ろすのがコツです。たったこれだけで、ふくらはぎの中に滞っていた血の流れが、少し動き出す感覚があります。

もう少し時間があるときは、壁に両手をついて、片足を後ろに引き、かかとを床につけたまま20秒キープします。左右で行うと、ふくらはぎの奥がじんわりほどけていくのがわかります。膝は曲げずにまっすぐ伸ばしたまま、後ろの足の付け根から伸びている感覚を探すのがポイントです。

途中で足の指をぎゅっと握って、ぱっと開く動きを5回ほど挟むこともあります。指先の血流が動くと、ふくらはぎ全体の重さも一緒に軽くなる気がするんですよね。

階段を上りきったところでも、最後の一段に片足のつま先だけを乗せて、かかとを浮かせたり沈めたりする動きを数回。降りるときに酷使したふくらはぎと、上るときに酷使したふくらはぎでは、張り方が微妙に違う気がしていて、上り下りのあとそれぞれで軽く様子を見るようにしています。

三段目で固まったあの朝も、これをやってから上がるようにしてから、あの締めつけ感はだいぶ減りました。強い痛みが出るときは無理をせず、そこで止めるようにしています。

階段の一段目でかかとを上げ下げする理学療法士

階段の往復そのものを減らす、家族との小さな工夫

戻し方を覚えるのと同じくらい、往復の回数そのものを減らす工夫も大事だと気づきました。

うちでは、一階の母の部屋の近くに子機を置くようにしました。母が何か困ったときに、まず子機で呼んでもらう。それだけで、様子を見に階段を駆け下りる回数がぐっと減りました。

洗濯物も、朝と夜にまとめて運ぶようにしています。気づいたときにその都度往復していた頃と比べると、一日の階段の回数は半分近くになった感覚があります。

担当のケアマネさんに相談して、階段の途中にもう一本手すりを増設してもらったのも大きかったです。介護保険の福祉用具貸与を使えば自己負担はそれほど大きくないと聞いて、なぜもっと早く相談しなかったんだろうと思いました。ケアマネさんに「早く言ってくれてよかった」と言われたとき、介護する側の体のことは、つい後回しにしてしまうものなんだなと気づかされました。

老健で利用者さんのご自宅を訪問して、階段の高さや手すりの位置を一緒に確認する仕事もしているのに、いざ自分の家のこととなると、後回しにしがちでした。仕事では当たり前に勧めていることを、自分の生活には案外あてはめられていなかったんですよね。

長女は学校から帰ると、真っ先に一階の祖母の部屋に顔を出す習慣があります。母が寂しがっていないか、様子を教えてくれるのも助かっています。夫は将棋の日以外は距離を置きがちですが、「今日は何回上り下りした?」と聞いてくれる日も増えました。数えてもらえるだけで、自分の疲れを人に見てもらえている気がして、少し楽になるんですよね。

一階の子機を確認する理学療法士と、階段を見上げる室内の様子

夜、こむら返りで目が覚める前にできること

ふくらはぎの張りを放っておくと、夜中にこむら返りで目が覚めることが増えました。飛び上がるような痛みで、隣で寝ている夫を起こしてしまったこともあります。

今は、寝る前にコップ一杯の水を飲むこと、そして靴下のゴムがきつすぎないか確認することを習慣にしています。ふくらはぎを締めつけたまま眠ると、翌朝の張りがひどくなる気がするんです。指先が冷えている日はこむら返りが起きやすい気もしていて、そういう日は靴下を一枚多く履いて寝ることもあります。

濡らしたタオルを電子レンジで軽く温めて、ふくらはぎに巻いてから伸ばすようにもしています。温かさが伝わると、筋肉がほどけやすくなる感覚があって、ここ最近のお気に入りの手順です。

布団に入ってから、仰向けで片膝を軽く抱えて、ふくらはぎを伸ばす。これも20秒ほど。眠る前の数分を、その日一番働いてくれた場所に返す時間にしています。

指で軽くふくらはぎを押してみて、いつもより硬い、片方だけ明らかに腫れている、押すと強い痛みがある。そんなときは、戻し方でどうにかしようとせず、誰かに相談するサインだとわたし自身も決めています。理学療法士としてできるのはあくまで日々のセルフケアの範囲まで。それ以上は、迷わず専門の窓口に頼っていいはずです。

体の小さな悲鳴に気づかないまま働き続けることは、燃え尽きの入り口にもつながっている気がしています。ふくらはぎの張りは、たぶん、いちばん気づきやすいサインのひとつなんですよね。

布団の中でふくらはぎを伸ばす理学療法士とゆる湯気さん

階段のある家で介護をしている方も、夜勤で一晩に何キロも歩いている方も、ふくらはぎに手を当てる数秒があるだけで、次の一段が少し軽くなることがあります。

あなたが一日の中で、一番踏ん張っている体の場所はどこですか。無理に整えようとしなくていいので、今日はその場所に、少しだけ手を当ててみてくださいね。

#夜勤明け#家族介護#セルフケア
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介護現場で12年の理学療法士です。夜勤明けの介護職員さんと家族介護中の方の隣で、続けるための体の整え方を配信します。 責めない温度感で記載します。

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